【印税】とはレコード会社、出版社、放送局が著作物を使用した際にその著作権を所有する人に支払う対価の事です。
良く『一曲だけで1億円稼いだ』とか『カラオケの印税で毎年数千万円』とかっていう言葉を耳にします。
僕は本をよく読むのですが例えば出版された本であればよく言われているのが[10%]を筆者のマージンとして懐に入るのはよく知られています(この限りではありません)。
しかし、カラオケの印税となると意外と知らない人も多かったりします。という事で今回は【意外と知らないカラオケ印税の仕組み】についてお伝えしていきたいと思います。
カラオケの印税額の計算方法は?
まず、印税の計算方法ですが、書籍だと発行部数×10%=印税額なので、カラオケもリクエスト回数×印税の単価=印税額と考えがちですが、厳密に言うと違います。
日本音楽著作権協会(JASRAC)が日本の音楽の著作権を管理しているのですが、このJASRACがカラオケ店と個別、または包括契約をしています。
全国のカラオケ店はJASRACに楽曲の使用料としてお金を支払っているわけです。部屋の規模などに寄っても金額は違うようなので詳しくはわかりませんが、
JASRACに集まった使用料を歌われた楽曲の回数の比率に応じて分配される、というイメージです。
わかりやすく説明すると。
例:JASRACに集められたお金が1億円あります。
全国でAKB48の楽曲が50%、ゴールデンボンバー(金爆)の楽曲が30%、エヴァンゲリオンの主題歌が20%歌われました。
各楽曲の印税額は
AKB48:5000万円
金爆:3000万円
エヴァ:2000万円
となります。
実際にはアーティスト毎の単価が違ったり色々あるようなので一概には言えないですが、カラオケの印税の仕組みはこんな感じです。
ただ、簡易的な計算方法として一曲歌われる毎に1円~7円程度の収益が入るといわれているのでリクエスト回数×印税の単価=印税額が間違っている訳ではないようです。
再生回数が増えれば増えるほど著作権所有者にお金が入る。つまり、カラオケで自作の歌を歌ったとしてもお金がはいるんです。ただし…
自分の歌をカラオケで再生しつづけ逮捕!?
今から数年前の事件になりますが、ある男性が自身が作詞作曲した曲をカラオケ会社に持込み、配信楽曲に追加してもらいました。
男性は、自宅や知人宅にカラオケ機器を10数台持ち込み自分の曲を再生し続け印税を得ていたというものです。
その額2年半で約1700万円。
元のソースの記事が無くなってしまったのですが、調べてみると逮捕ではなく、JASRACがこの著作権料を不正受給として、男性に対して訴訟を起こした、との事。
その後東京地裁から返還命令が出て、男性は1700万円をJASRACに対して支払う、という事件がありました。
- 1曲3分の曲として一曲あたりの印税が3円と仮定。
- 1時間あたり20回再生出来るので、3×20=60円
- カラオケ機器を20台用意すれば60×20円=1200円
- 1日フルで稼働すれば1200円×24=28800円
- 1年間で28800×365=10512000円
年収1000万wこんな事を考えたことがある人は気をつけて下さい。
作曲=印税ではない!?買い取り型の楽曲とは?!
『一度曲を作ればその曲は永久に稼いでくれるなんて、作詞、作曲家が羨ましい!』と考える人も多いかもしれませんが、勿論印税で食べていける人は数少ない人達です。
加えて作詞作曲をしたとしても印税が入ってこないタイプも存在します。それは『買い取り』と呼ばれる形態で制作された楽曲です。
『○○円支払うので曲を作って下さい』というものです。
このタイプだとカラオケでいくら歌われても作詞作曲者には一銭も入りません。有名なものでいうと『およげたいやきくん』なんかが例に挙げられます。
追記訂正:およげ!たいやきくん の作詞作曲は買い取りではなく、フジ系列の音楽出版社が管理していて、作詞作曲の部分はきちんと運用されてます。買い取りされたのは子門真人さんの歌唱による実演の部分です。(匿名さんコメント欄より抜粋)
およげたいやきくんは累計450万枚以上のセールスを記録した化け物級の楽曲ですから、人気も相当あったでしょうし数億円の価値はあったと思います。作詞作曲者からするとなんとも勿体無い出来事のように感じますが、買い取りタイプの楽曲はデメリットばかりではありません。
それはその曲がヒットしようがしまいが一定の金額を受け取ることが出来る点です。収入としては単発かもしれませんが、仮にヒットした場合には自分の名前も売れるし悪いことばかりではなさそうです。
とはいえ、カラオケ印税はアーティストにとって重要な収入源の1つなのは間違いありません。
エヴァンゲリオンの作詞家【及川眠子】さんは毎年印税だけで3000万円近くの収入があり、ゴールデンボンバーのボーカル兼作詞作曲者である鬼龍院翔さんは【女々しくて】という楽曲で累計1億円ちかく稼いでいます。
日本を代表する作詞家の1人である秋元康さんに関しては、カラオケの印税だけでも軽く億は超えます。
音楽の業界は生き残りも厳しい世界ですが、トップになればここまで収入を作れるものなんですね。
印税は半永久的に得られる不労所得ですから、自分に自信がある人はどんどん世に作品を出していって欲しいと思います。そして僕がカラオケで歌って貢献しますw
およげ!たいやきくん の作詞作曲は買い取りではありません。
フジ系列の音楽出版社が管理していて、作詞作曲の部分はきちんと運用されてます。
買い取りされたのは子門真人さんの歌唱による実演の部分です。それこそよくある話です。
子門真人さんはレコードから発生する印税がもらえないのです。
カラオケで歌ってももともと最初から入らない印税ですが・・・およげ!たいやきくんをカラオケで歌うと作家先生たちに印税がきちんと入る仕組みになっています。
指摘ありがとうございました。追記訂正させていただきました
カラオケ印税について、よく分かりました。
愛知県47歳さんの言うように書籍の印税は発行部数に対しての物が「一般的には」そうですが、実際に売れた部数(初版契約の部数に足りない場合などは+α)の場合もそれなりにあるようなので、書籍の印税は「基本的に」とつけた方がいいかと思われます。
小さな事にケチを付けるようですが、参考までによろしくお願い致します。
こんにちは。カラオケ印税について検索していてこちらにたどり着きました。古い記事にコメントされても困るとは思いますが、書籍の印税は一般的に売上部数に対してではなく印刷部数に対して支払われるものですよ。五千部しか売れなくても一万部印刷されていれば一万部に対する印税を受け取る事が出来ます。記事には正確性を期して下さいね。
大変失礼いたしました。即刻訂正いたしました。ご指摘ありがとうございます。