夏の風情と暑さを知らせる『セミ』。
子供の頃は夏になるとセミを捕まえるために森を駆け回ったものです。
ミーンミンミンミン
さて、今回はそんな真夏の夜のセレナーデを奏でるセミさん達のお話です。
成虫のセミが一週間しか生きれないというのはガセ
「成虫のセミは1週間しか生きる事ができない。なんて儚いんだ」
「あれだけ大声でみんみん言ってたらそら一週間で死ぬわ」
などといった事を聞いた事がある人は多いと思いますが実はこれはガセです。
実は成虫のセミは鳥やカマキリなどの天敵に捕食されなければ大抵一か月弱くらいは生きます。
知ってた?
まぁ大抵は捕食されちゃんだけどね。セミって毒も武器もないし、うるさすぎて超目立つから天敵たちからしたらごちそう以外のなにものでもないんだよね。スズメバチとかクモもセミめっちゃ食べるよ
自然の中では意外と長く生きるんだよセミって(幼虫の期間も3年~10年くらいあるし)。
でもね、
飼育すると大抵一週間以内に死ぬ
セミを捕まえて飼った事がある人なら分かると思いますが、一日目は元気にミンミン鳴いていたのが、きづくと数日後にはパタッと死んでしまいます。
エサとかちゃんと世話していても7日後にはコロッと逝ってしまう。
何故だと思います?
実はセミって飼育がめちゃくちゃ難しい昆虫だからなんです。
セミはものすごいデリケートな昆虫
昼も夜もかまわず大声で喚き散らすクセに実はかなりのデリケート虫なんです。
プロでも飼育できない昆虫っていわれてるからねwじゃじゃ馬どころじゃないよ。じゃじゃゼミだよ。
特にエサ関係に関してはマジで好き嫌い激しい
ちなみに、セミって何食べると思う?
果物?野菜?虫?のんのん
実はね…
「せみは じゅえきしかのまない」
だから人間が用意したエサはほとんど食べないわけ。
セミ「あたしはバラ科の樹液じゃないとゼッタイ飲まないんだから!」
…で死ぬ。
水はフランス産じゃないと飲めない!とかいってるセレブリティも喉カラカラになったら泥水だって飲むだろうけどセミは死を選ぶんだからなんか一本筋が通ってるような気もする。
暑さと乾燥にめっぽう弱い
夏の虫の象徴だけに暑さには強いのかと思ったら実は暑いのが苦手という残念っぷり
セミ『いやぁーあついのは苦手っすねーwミンミンッw』
さらに乾燥にも弱いので、「もうなんでお前は夏に出てくるんだよバカやろう」って事よね。
ちなみにセミが夏に出てくる理由については解明されていない。
なぜ彼等は自分たちが苦手な季節を選んで地上に表れるのか。
秋とか冬は寒いからあれだけど、春の終わりごろじゃだめなのか!?
きっとマイルドな気温の中で暮らせばもっと長生きできるんじゃないのか?
なぜ梅雨終わりごろからでてくるんだ!?
実はなぜ夏を正確に感知し地上にでてこれるのか、その理由は解明されていないのです。
わかっているのは、セミは確実に正確に夏の時期を選んで地上に出てきているという事。
一体なぜ、何のために。
そんな理由を探し続けていましたが、先日帰り道でセミを見つけると、彼(セミ)がこんな事を言っているような気がしました。
セミ『別に理由なんか、ないんやで』
そっか、理由なんか別に考える意味ないんだ
夏生まれだけど暑いの苦手って人も沢山いるし、もしかしたら『あ、自分は割と暑いのいけるクチっす』みたいなセミがいる可能性だってわるわけだよ。
なんていうか、簡単に言えば、セミタイマーは常に夏にセットされてるって事なんだよね。
そういう意味ではTUBEとかと同じだよね。そういうもんなの。太陽が東から上って西に沈むのと同じ。そういう『宿命』なのかもしれないね。
最後に
セミの成虫ってさ、一か月くらいしか生きないから可哀想って思う人もいるかもしれないけどさ、彼らからしたら地中にいる数年間の方が『本番』なんだと思う事がある。
僕らは僕らが目に見える事からしか判断する事ができない愚かな生き物だから、セミを可哀想だと思ってしまうけれど、昆虫の一生の良し悪しを僕ら人間がジャッジする事なんて到底できる事じゃあないんだよね。
セミさん、今まで気持ち悪いって思っててごめんね。
セミ『ええんやで』